地震保険に限らず、保険ってまぁとにかく難しいし面倒ですよね・・・
私は、保険の専門家でも何でもない普通の主婦ですが、
先日、地震の被害にあって地震保険からお金が下りました。
そんな経験者の立場から、地震保険についてシンプルに解説してみます。
関連記事 マンションも地震保険は必須!震度6弱で〇〇万円おりた我が家の場合
参考文献 地震保険制度の概要|財務省
地震保険とは?
まずは、地震保険の基本的な仕組みについて簡単にご紹介します。
地震による火災・津波・液状化被害も補償してくれる唯一の保険
地震により発生した火災は「火災保険」の対象外って知ってましたか?
もちろん津波による浸水被害も、火災保険の「水災」には該当しません。
地震による火事や津波、液状化による被害を補償してもらえるのは「地震保険」だけです。
地震保険は「建物」だけではなく「家財」も対象にできる
地震保険は、家財も(家具・家電、カメラ・パソコンなどの精密機器も含め)補償の対象にすることができるんですよ。
補償の対象は、「建物」と「家財」から自由に選択することができます。
- 「建物」と「家財」の両方
- 「建物」のみ
- 「家財」のみ
せっかく地震保険に入るなら建物と家財の両方に加入しておくのが1番安心です。
※賃貸住宅なら「家財」のみ加入しておくのもアリ
地震保険は火災保険とセット加入する仕組み
地震保険は単体では加入できないんです。
火災保険に地震保険を付帯する(セットで加入する)仕組みです。
つまり、火災保険はA社、地震保険はB社とバラバラで加入することはできません。
すでにA社の火災保険に加入している場合は??
- 契約期間の途中からでもA社の地震保険に追加加入する
- A社は途中解約してB社へ乗り換え、B社で火災と地震の両方に加入する
どちらでもOKです。
火災保険を途中解約しても保険料がムダになることはないので、これを機に火災保険から見直しをして地震保険とセット加入すると、保険料を節約することができます。
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地震保険はどの保険会社で加入しても同じ保険料&補償
保険に入るなら、できるだけ安い保険料で手厚い補償を受けたいですよね。
でも、地震保険はどの保険会社で加入しても、保険料や補償内容に差は出ません。
これは地震保険が、国の法律に基づいて政府と損害保険会社が共同で運営しているという特殊な保険だからです。
じゃあ、お得な地震保険に加入することはできないの?!
ちょっとしたコツがあります。
今、加入している火災保険は、勧められた保険にそのまま加入しませんでしたか?
別会社の火災保険に乗りかえれば、保険料が安くなる可能性大です!浮いた保険料で地震保険の保険料をまかなえるかもしれません。
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参考文献 地震保険のしくみ|日本地震再保険株式会社
地震保険の保険期間
地震保険の保険期間は最短1年、最長5年です。
火災保険は10年長期一括払があるので、地震保険は火災保険ほど長期で契約することができないんですね…
- 地震保険の保険料は、今後少しずつ値上がりしていく
- 地震保険は長期契約すれば、保険料が割引される
という2点から、地震保険は最長の5年長期契約が最もお得です。
※ただし、火災保険も5年 or 10年の長期一括払が必要なので、状況によって地震保険は1年の自動継続となります。
地震保険の保険料を左右する様々な条件
地震保険は、建物と家財の保険金額だけではなく、様々な条件で保険料が上下します。
さらには、保険料の割引制度も存在します。
あなたのお住まいが、地震保険に比較的安く入れるのか?それとも高くなるのか?イメージできるように解説します。
建物の所在地(都道府県)による保険料の違い
住んでいる都道府県によって、地震保険の保険料に差がでます。
地域によって大地震の発生リスクと地震発生時の被害状況が異なるため、都道府県別に年間保険料が定められています。
地震保険が最も安い都道府県と比較したときに、保険料が何倍になるか?を、
- イ構造(主として鉄筋コンクリート造)
- ロ構造(主として木造)
に分けて表にしてみました。
イ構造の保険料が安い地域から順に | イ構造 | ロ構造 |
岩手、秋田、山形、栃木、群馬、富山、石川、福井、長野、滋賀、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島 | 1倍 基準値 |
1倍 基準値 |
北海道、青森、新潟、岐阜、京都、兵庫、奈良 | 1.10倍 | 1.16倍 |
福島 | 1.20倍 | 1.47倍 |
宮城、山梨、香川、大分、宮崎、沖縄 | 1.51倍 | 1.70倍 |
愛媛 | 1.69倍 | 1.93倍 |
大阪 | 1.77倍 | 1.93倍 |
愛知、三重、和歌山 | 2.03倍 | 2.13倍 |
茨城 | 2.18倍 | 2.76倍 |
徳島、高知 | 2.18倍 | 3.15倍 |
埼玉 | 2.51倍 | 2.76倍 |
千葉、東京、神奈川、静岡 | 3.52倍 | 3.35倍 |
最も保険料が高い地域は、最も安い地域の3倍以上になるんですね・・・
首都直下型地震や南海トラフ大地震の被害が予想されている地域は、やはり高めの保険料です。
※2019年1月1日の地震保険改定後の保険料で計算しています。
建物の耐火・非耐火による保険料の違い
地震保険の保険料は、木造住宅よりマンション(鉄筋コンクリート造の耐火建築物)の方が安くなります。火災保険と同じですね。
非耐火(木造住宅等)の地震保険料は、耐火建築物の1.61~2.36倍になります。(都道府県により異なる)
※通常の木造戸建住宅は「非耐火建築物」ですが、見かけは普通の戸建住宅でも「耐火建築物」「準耐火建築物」「省令準耐火建築物」に該当する場合があります。
建物の構造や建築年による割引
地震に強い構造であればあるほど、保険料は安くなります。
割引区分 | 割引率 | |
免震建築物割引 | 50% | |
耐震等級割引 | 耐震等級3 | 50% |
耐震等級2 | 30% | |
耐震等級1 | 10% | |
耐震診断割引 | 10% | |
建築年割引(1981年6月1日以降新築) | 10% |
※重複して割引の適用をうけることはできない
※「長期優良住宅」に認定されているか?「耐震等級」がついているか?など、公的資料をもとに確認が必要です。
長期契約(2年~5年の一括払)による割引
地震保険は長期一括払すれば、保険料は安くなります。
最大で約8%割引になります。
長期係数 | |
1年 | ― |
2年 | 1.90 |
3年 | 2.80 |
4年 | 3.70 |
5年 | 4.60 |
※上記は2019年1月1日に改定された長期係数です。
地震保険の契約内容(補償範囲)
次は、地震保険からお金が下りる時の仕組みを簡単に説明します。
地震保険は最大でも火災保険の半額まで(損害保険金限度額)
6,000万円で購入したマンションだからと言って、最大6,000万円まで補償してもらえるわけではないのです…
地震保険の保険金額(=補償してもらえる額の上限)は、建物・家財ともに、以下の範囲内で設定することになります。
- 地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%から50%に相当する額の範囲内
- 建物の加入限度額は5,000万円、家財の加入限度額は1,000万円
保険金額を高く設定すれば、それだけ保険料も高くなります。
逆に、保険料を安く抑えるために、保険金額を低めに設定することもできます。
具体例
保険金額 | 火災保険 | 地震保険(上限) |
建物 | 3,000万円 | 1,500万円 |
家財 | 1,000万円 | 500万円 |
この契約内容なら、最大合計2,000万円が支払われるという仕組みです。
(建物全損1,500万円+家財全損500万円=2,000万円)
地震保険から支払われる保険金の計算方法
次は、地震保険から支払われる保険金額はどのように計算されるのか?解説します。
損害区分(全損・大半損・半損・一部損)によって支払われる保険金が計算される
建物は建物、家財は家財で、それぞれ別に損害の程度をチェックします。
全損・大半損・小半損・一部損のいずれかに該当する場合は、以下の計算式で保険金が支払われます。
損害区分 | 建物 | 家財 |
全損 | 保険金額の100% | 保険金額の100% |
大半損 | 保険金額の60% | 保険金額の60% |
小半損 | 保険金額の30% | 保険金額の30% |
一部損 | 保険金額の5% | 保険金額の5% |
具体例 建物1,500万円&家財500万円で地震保険をかけていたとすると…
認定区分 | 建物 | 家財 | もらえる 保険金合計 |
保険金額 | 1,500万円 | 500万円 | |
全損(100%) | 1,500万円 | 500万円 | 2,000万円 |
大半損(60%) | 900万円 | 300万円 | 1,200万円 |
小半損(30%) | 450万円 | 150万円 | 600万円 |
一部損(5%) | 75万円 | 25万円 | 100万円 |
一部損でも、合計100万円の保険金がおりるという仕組みです。
ちなみに、おりた保険金の使い道は自由です。
全損・大半損・小半損・一部損に認定される基準
地震による被害があった場合、保険会社の社員さん等が直接自宅まで来てくれ、損害認定(全損・大半損・小半損・一部損のいずれかに該当するかどうかの確認)を行ってくれます。
「地震保険損害認定基準」に基づいたチェックシートを片手に、1つ1つ丁寧に確認してくれます。
この時、壊れた物の購入金額や修理金額は関係ありません。細分化されたチェックリスト上で、いくつの項目に該当するかで損害割合を出します。
- 実際の修理費用を証明する見積書や領収書は不要
- 市などが行う被害認定調査による「罹災(りさい)証明書」も不要
- 受け取った保険金の使い道は自由
「全損」と言っても、“主要構造部(基礎・柱・屋根など)の損害額が建物の時価額の50%以上”という基準なので、全損=家が完全にペチャンコにつぶれる というわけではありません。
例えば、液状化などによる地盤沈下が起こった場合、家の傾きの角度が約1°以上になれば全損認定されます。
損害区分 | 認定基準 | |
建物 | 家財 | |
全損 | 主要構造部の損害の額が 建物の時価額の 50%以上 |
家財の損害額が 家財の時価額の 80%以上 |
焼失・流失した部分の床面積が 建物の延床面積の 70%以上 |
||
大半損 | 主要構造部の損害の額が 建物の時価額の 40%以上50%未満 |
家財の損害額が 家財の時価額の 60%以上80%未満 |
焼失・流失した部分の床面積が 建物の延床面積の 50%以上70%未満 |
||
小半損 | 主要構造部の損害の額が 建物の時価額の 20%以上40%未満 |
家財の損害額が 家財の時価額の 30%以上60%未満未満 |
焼失・流失した部分の床面積が 建物の延床面積の 20%以上50%未満 |
||
一部損 | 主要構造部の損害の額が 建物の時価額の 3%以上20%未満 |
家財の損害額が 家財の時価額の 10%以上30%未満 |
全損・大半損・小半損に至らない場合 床上浸水または地盤面から 45㎝を超える浸水 |
※勘違いされがちですが、地震保険の損害認定は、国が定めた「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」による「全壊・大規模半壊・半壊・半壊に至らない一部損壊」とは別物です。
参考文献 地震保険基準料率|損害保険料率算出機構
2019年1月1日の地震保険の改定(保険料アップ)
地震保険は、段階的に値上がりすることが決まっています。
直近では2019年1月1日に改定がありましたが、これ以降も、もう1度改定があることは決まっています(現段階で、時期や詳細は未定)。
地震保険への加入を検討している方は、お急ぎ下さい。
check 火災保険の一括見積もり
参考文献 2019年1月の地震保険制度改定の概要|日本損害保険協会
都道府県別の年間保険料が平均3.8%アップ
2019年1月の改定では、保険料率は全国平均で約 3.8%の引上げとなりました。
地震保険が安い地域から順に | イ構造 改定率 | ロ構造 改定率 |
岩手、秋田、山形、栃木、群馬、富山、石川、福井、長野、滋賀、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島 | +4.4% | +1.8% |
北海道、青森、新潟、岐阜、京都、兵庫、奈良 | ▲3.7% | ▲11.8% |
福島 | +14.9% | +14.1% |
宮城、山梨、香川、大分、宮崎、沖縄 | +12.6% | +7.1% |
愛媛 | 0% | ▲5.9% |
大阪府 | ▲4.5% | ▲5.9% |
愛知、三重、和歌山 | ▲15.8% | ▲14.5% |
茨城 | +14.8% | +14.7% |
埼玉 | +14.1% | +14.7% |
徳島、高知 | +14.8% | +14.4% |
千葉、東京、神奈川、静岡 | +11.1% | +7.2% |
長期契約の割引率が悪くなる
もう1つの改定は、2年~5年の保険料一括払の割引率の改定です。
これまでは、5年一括払で1年あたりの保険料換算で約10%割引になっていたのが、改定後は約8%割引になりました。
参考 2019年1⽉以降の地震保険の⻑期係数
保険期間 | 改定前 | 改定後 | 増減率 |
2年 | 1.9 | 1.9 | 0.0% |
3年 | 2.75 | 2.8 | +1.8% |
4年 | 3.8 | 3.7 | +2.8% |
5年 | 4.45 | 4.6 | +3.4% |
まとめ
- 地震保険に入ろうか気になっているけど、よく分からないし面倒くさい…
- 次の火災保険の更新の時に、考えようかな…
と思っている方は、是非、地震保険の値上がり前の加入をご検討ください。
ちなみに我が家は、最大震度6弱の「大阪北部地震」の被災し、大した被害はなかったのですが、それでもアッサリと一部損認定され地震保険が下りました。
詳細記事 マンションも地震保険は必須!震度6弱で〇〇万円おりた我が家の場合
しかも、地震保険に加入したのは地震発生の9カ月前!
あの時、面倒でも火災保険を見直して、地震保険にも加入しておいてよかった!と思いました。
この記事が、あなたの地震保険加入のきっかけになれば幸いです。
コメントをどうぞ!
はじめまして。突然すみません。
今ちょうど火災保険の見直しをしています。アカネさんはどちらの保険会社で契約されていますか?
今は三井住友海上なのですが
正直、申請する時にならないと会社の良し悪しは分からないときき、このまま更新でもいいかと考えていました。アカネさんの契約している会社はとても対応が良さそうなので、差し支えがなければ教えていただきたいと思いメッセージを送らせていただいています。
くるみ様
初めまして!コメントいただき、ありがとうございます。
やはり、保険会社によって申請後の対応に差があるようだ・・・ということですね。
私も以前は、三井住友海上でした。
現在加入中の保険会社(地震保険が下りた会社)については、ここに書いてオープンにしていいものかちょっと判断に迷うところがあるので、大変お手数ですが、当ブログの「お問い合わせ」より、改めてメッセージいただいてもよろしいですか?
お名前はニックネームで結構ですので、ご入力いただいたメールアドレス宛に返信し、回答させていただきます。
せっかくコメントいただいたのに、すぐに回答できず申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。