中古マンションの値引き交渉ってどこまでできるのか、その裏側をご紹介します。
値引き交渉の基本的な流れ
中古マンションでは、まず1番手の人が売主さんと価格交渉に入ることができます。1番手というのは、1番初めに「購入申込書」を提出した人のことです。1番手から2番手に話がまわってくるのはどのタイミングでなのか?について簡単にまとめると、
- 一番手が満額で買いたいという場合→契約成立
- 一番手が値引き交渉をする場合
- 売主が値下げを了承→契約成立
- 売主が値下げに応じない場合→その旨不動産屋さんを通して一番手に伝えられ
- 一番手が満額(もしくは売主が再提示した価格)で買うことを了承→契約成立
- 一番手が、「値引きしてもらえないなら買わない」とした場合→契約不成立
- 二番手に価格交渉権がうつる
といった感じです。一番手が値引き交渉した後、売主がそれに応じない場合に、いきなり二番手にバトンタッチしてしまうわけではないので、その点ちょっと安心ですよね。
私たちの体験談
かつて不動産屋の営業マンに言われたこと
私たちがお世話になった不動産屋は、テレビCMなんかもしている大手なんですが、その営業マンに初めて会った時、「値引き交渉ってどの程度できるんですか?」と質問しました。
その時、内覧させてもらった中古マンションの価格は4,790万円だったのですが、「4,790万円であれば、端数切捨てで4,700万円で交渉なら可能です。売主さんがそれに応じるかは別ですが。これを4,500万円にしてくれとなると、売主さんもちょっと怒るかもしれませんね。」ということでした。
※ちなみに我が家の場合は、4,500万円でも、予算オーバーしすぎです(笑)見るだけ見に行った物件でした。
実際に値引き交渉をしたときの営業マンのアドバイス
今回購入した中古マンションの場合は、売出し価格が3,280万円でした。
満額で(そのままの額で)購入してもいいと思えるくらいのお買得物件だったのですが、営業の方に値引き交渉について相談してみると「3,280万円を3,200万円であれば、売主さんに相談可能です。」とのこと。
ついでに「売主さんには、3,000万円とかでふっかけてくる人はこちら側(不動産屋側)で断るようにします、と伝えています。でも、やはり値引き交渉はつきものなので3,280万円のままでは売れないと思います、と伝えています。」とのことでした。
上の4,790万円のマンションの時の話と併せて判断すると、これがこの不動産屋(少なくともこの営業マン)のやり方なのだろうと思います。
物件価格を決める際にも、あらかじめ売主さんに値引き交渉の幅についてアドバイスをした上で価格設定し、買主へもその幅の中だけで値引き交渉するように持っていく・・・というパターンですね。
さすが営業マンです。素晴らしい!
道筋を立てて、そこへ導いていく。営業スキルですね。
私たちの値引き交渉のエピソード
上記のような営業マンのアドバイスをもらった上で、購入申込書の購入希望価格には、「3,200万円」と記入しました。
そしてその不動産営業マン経由で、売主さんに話をしていただいた結果「では3,250万円でどうでしょう?」という売主さんからの返事でした。
でもその営業マン曰く「売主さんは、『どうしてもという訳ではないが、一応言うだけ言ってみて』っていう感じです。」とのこと(笑)
値引き交渉では、この辺のニュアンスをつかむのが大事なんだろうなぁと思いました。売主さんの姿勢というか気持ちですね。
それなら「そこを何とか3,200万円でお願いできないでしょうか?」と粘ってみる余地もあるかなぁと思ったのですが、私たちの後に4組も購入申込書を提出している人たちがいるということは当然売主さん側も知っていますし、ここで失敗はしたくない・・・・
夫と相談した結果、「では、3,230万でお願いできませんでしょうか?」と、そこから20万円だけさらに価格交渉してみました。
結果、3,230万円で契約成立となりました!
後になって聞いた話
後になって、不動産営業マンの方から聞いた話ですが、売主さんはこの3,230万円で成約したことを、とても喜んでいたということでした。
売主さんも、「3,200万円になるだろうな・・・」と思いつつ、ダメもとで「3,250でどうでしょう?」と持ちかけたのでしょうね。
逆に、営業マンから売主さんのニュアンスを聞いてなければ、私たちもそのまま3,250で呑んだ可能性があります。
私たちが購入した中古マンションは、そもそもかなりお買い得物件だったこともあり、20~30万円くらいであれば、互いに気持ちよく売買契約が結べた方がいいよね・・・と個人的には思ってしまうので、この結果に満足しています。(でも普段の買い物では、10円20円の差にも敏感です。価格が大きくなると、金銭感覚が狂うのでしょうか・・・笑)
値引き交渉の間に入る不動産屋の立場
不動産屋は、最終的な売買価格に対して一定割合の仲介手数料を受け取ります。売主も買主も自社で取り付けた場合は、双方から同様の仲介手数料をもらうことになっています。
という立場を考えると、不動産屋にとっても、当然高く売れた方がいいということですよね。
仲介手数料の計算式はこうです。
仲介手数料(税込)= 売買価格の3.24% + 6.48万円
売買価格が3,280万円の場合は・・・1,127,520円×2=2,255,040円
売買価格が3,200万円の場合は・・・1,101,600円×2=2,203,200円
その差、51,840円です。
売買価格が10万円変化すると、仲介手数料の差額は3,240円×2=6,480円です。
こうして計算してみると、売買価格の10万、20万の違いは、もはや不動産屋にっとは大した問題ではなさそうです(笑)それよりは「早期に」売買契約に結び付くことの方が、営業マンにとってはずっとメリットは大きいのかもしれまん。
モタモタしていると、他の不動産屋が買主を連れてきてしまい、買主側からの仲介手数料を取れなくなってしまいますからね・・・
中古マンションの売却価格決定の経緯
売却価格を決める際に、不動産屋の主導、もしくはアドバイスを基に価格決定しているのか?それとも売主側の強い要望を反映させた価格なのか?といった売却価格決定の経緯によって、不動産屋側の価格交渉に関する対応も変化してくるのでは?と思います。
例えば・・・
相場からいけば3,500万円程度が妥当な中古マンションがあったとします。でも売主の都合上、4,280万円で売りに出したい!と希望した場合・・・
不動産営業マンからは「相場でいくと3,500万円ぐらいなので、4,280万円だとさすがに厳しいと思います。」とアドバイスはすると思いますが、売主が強く希望すれば、そのまま4,280万円でチラシに載せるしかありません。
そういう経緯で4,280万円という価格がつけられていると仮定すると、営業マンから「4,000万円とふっかけてくるような人はこちら側でお断りしておきます。」というセリフは出てこないと思うんです。
なので、不動産屋に「売主さんはどういった経緯で今回、売却するのですか?」と質問することはもちろん、「ちなみに売却価格はどうやって決められたんですか?」等と質問してみると、その辺の裏側が読み取れるかもしれません。
それから、なかなか買い手がつかない場合、「価格改定」「価格更新」などとして、200~300万円ほど中古マンションの売却価格を値下げしているケースをよく見かけます。ですので、売出し直後なのか、それとも売出してからある程度経過している物件なのかによって、値引き幅は変化すると言えると思います。
友人の体験談
私の友人で、築浅の中古マンションを購入し、3~4年住んだ後に、そのマンションを売却して戸建住宅へ住み替えした人がいました。
売却の時の価格設定や値引き交渉のことを少し聞いたのですが、まず価格設定は、「自分たちが購入した時の価格は下回らずに売りたい。」というのがまず第一にあったようでした。
そして、やはり値引き交渉は避けられないので、その分を見越して少し高めに価格設定したそうです。
で、1番手の人は、かなり大幅な値引き交渉をしてきたので、話がまとまらなかったようです。その1番手の人は、かなり強気な態度だったこともあり「この人には売りたくない」という気持ちにもなったそうです。
そして価格交渉権は2番手の人にバトンタッチ。
やはり2番手の人からも値引き交渉があり、何度かやり取りをして、どうにか目標額に近い額で売却できた、ということでした。
売主側も人間で感情があるので、値引交渉に際しての姿勢や態度には十分注意しないと、売主さんに嫌われて売ってもらえなくなる可能性があるということですね。
特に、金額がどうであれどうしても購入したい物件が見つかった場合は、慎重に値引き交渉をする必要があります。
他、参考になる値引き交渉術
ネット上の書き込み
私がたまたま見つけたネット上の書き込みなのですが、なんとビックリな値引き交渉術です!
法務局に出向き、該当マンションの登記簿の抵当権をチェック。借入した金融機関と借入額、当時のローン利率から、月々の返済を推測して、ローン残高を割り出す。そのローン残高に対して2~3%増の価格で交渉。
と、かなり用意周到です・・・
でもこれは、売主側が売却価格のボーダーラインをローン残高としている場合にはとても有効ですが、さきほどの私の友人のように「自分が買った時の価格」をボーダーラインとしている場合は、金額がズレてきてしまう可能性が高いかなと思いました。
参考になるWEBサイト
中古マンションの相場・動向の調べ方と値引き交渉2つのコツ というページで
- 中古マンション相場の調べ方
- 中古マンション相場の考え方
- 値引き交渉の2つのポイント
が分かりやすくまとめられていました。よかったらご覧ください。
まとめ
- 中古マンションに値引き交渉はつきもの。売主もそれを見越した価格設定をしている。
- 事実上、不動産営業マンが値引き交渉の幅を調整している場合もある。
- 値引き交渉は、売主の売却理由や懐状況などにも気を配りつつ進める
- 人気物件かどうか、売出し直後かどうかによっても値引き幅が変化する。
- 人気物件で値引き交渉しすぎると、交渉決裂する可能性あり。
といった感じでしょうか。参考になる情報があれば幸いです。
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