住宅ローン控除の確定申告を進めていくと、「特定取得」や「住まい給付金」というキーワードを目するかと思います。
購入したのは中古マンションだけど、「特定取得」や「住まい給付金」に該当するのか?についてまとめます。
特定取得とは何か?
国税庁の説明文
国税庁HPには、「特定取得」についてこのように書かれています。
「特定取得」とは、住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等(消費税額及び地方消費税額の合計額をいいます。以下同じです。)が、8%又は10%の税率により課されるべき消費税額等である場合におけるその住宅の取得等をいいます。
なお、次の場合には、特定取得に該当しませんのでご注意ください。
- 住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等が、5%の税率により課されるべき消費税額等である場合
- 個人間の売買契約により住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等がない場合
つまり、8%または10%の消費税で住宅を購入したことを「特定取得」といいます。
中古マンションの場合は、特定取得に該当するのか?
中古マンションを購入した人にとって、大切な記述は一番最後の部分、
個人間の売買契約により住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額がない場合
というところです。
売主さんが個人だった場合は、その中古マンション売買代金には消費税が課税されないのです。不動産屋に支払った仲介手数料には消費税が課税されているのですが、「住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額」には消費税が課税されていません。
つまり・・・
個人から買った中古マンションは、特定取得に該当しないということです。
これに対し、売主が個人ではなく、不動産屋(宅地建物取引業者)の場合は消費税が課税されます。ただし、建物部分にのみ消費税が課税され、土地部分には課税されません。
ということで・・・
不動産屋などの業者から買った中古マンションで、消費税が8%以上の場合は、特定取得に該当します。
特定取得に該当すると、どんなメリットがあるのか?
もし、消費税が8%UP以降に不動産屋等の業者から中古マンションを購入した場合は、「特定取得」に該当するのですが、何がどう変わってくるのか?というと・・・
住宅ローン控除の控除限度額が変わってきます!
- 特定取得に該当する場合・・・控除限度額は40万円
- 特定取得に該当しない場合・・控除限度額は20万円
と、倍も違ってくるのです。
控除額の計算は、住宅ローンの年末残高×1% なので、例えば3,000万円の借入残高がある場合は、3,000万円×1%=30万円 となります。このときに、特定取得に該当するかどうかで、実際の控除額が異なってきます。
- 特定取得に該当する場合・・・控除額は30万円
- 特定取得に該当しない場合・・控除額は20万円(上限額)
つまり、2,000万円以上の住宅ローン残高がある人にとっては、特定取得に該当した方がメリットが大きいということです。
すまい給付金とは何か?
国土交通省の「すまい給付金」サイト
詳細は、国土交通省の「すまい給付金」というサイトに掲載されています。
すまい給付金について簡単にまとめると
- 消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設された制度
- 平成26年4月から平成31年6月まで実施
- すまい給付金を受け取るには、一定の条件を満たす必要があり、手続きも必要
- 給付金額は、収入に応じて、10万円・20万円・30万円(消費税10%は、最高50万円)
といった感じです。
中古マンションは「すまい給付金」の対象になるのか?
詳細は「すまい給付金」の「対象要件(中古住宅)」のページをご確認いただきたいのですが、これも特定取得と同様に
給付の対象となるのは、売主が宅地建物取引業者である中古住宅
と明記されています。個人の売主さんから購入した中古マンションの場合は、対象外です。そもそもの目的である「消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和する」というところに該当しないからですね。
売主が個人だった場合は、物件価格には消費税がかからないから、ということです。
まとめ
「特定取得」も「すまい給付金」も、売主が個人の中古マンションは、残念ながら対象外、ということです。
取引されている中古マンションのほとんどは、個人が売主です。
ただ最近は、不動産屋が一度個人から中古マンションを買い取って、リノベーションをして販売するというケースも多くなっているようですので、まだ購入していない方はそういった物件を検討してみてもいいかもしれません。
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